ものぐさ雑記 2008年1月
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 江原氏はなぜ本物と考えられているか

 

 フジテレビの「FNS27時間テレビ ハッピー筋斗雲」での江原啓之の霊視が問題になり、「放送倫理・番組向上機構」(BPO)が批判する意見を出した。そもそもなぜ江原啓之がこれほどまでに有名になり、もてはやされるようになったのだろうか。

 江原は霊が見えるということで特殊能力者の一人と見なされているが、もちろんこれは検証しようがない。普通なら幻覚を見ていると見なされて、カウンセリングを勧められるものだが、江原は逆に自分がカウンセリングを行っていたくらいだ。テレビ朝日の「オーラの泉」で壇れいの父親の霊を見たと主張していたが、実際には壇の父親は生存していたことがわかったという話がある。江原が世間で本物の霊能力者とみなされているのは美輪明宏の影響が大きいだろう。一人の人間が霊が見えるなどと言っても、作り話かどうか判断できない。だが、別の人間も同じものが見えると言ったり、そのように振舞えば、本当に霊が存在するかのように思えるだろう。美輪は江原を「本物だと思います」と表現しているし、「オーラの泉」でも江原の横で同じ霊が見えているかのように振舞っている。美輪明宏による「裏づけ効果」が江原啓之を本物のように思わせていることに大いに役立っているのだろう。それは同時に美輪明宏が本物の霊能力者であるように世間に思わせることにも役立っている。

 私は江原と美輪が最初に話をあわせているとは思っていない。おそらくは二人とも幻覚を見やすい精神にあるのだろう。リーディングのテクニックとしては、曖昧なことを言って、それが当たるとさも最初から見抜いていたかのように装い、会話が終わった後の時点では相談者が霊能者を本物であるかのように信じさせるというのが一般的だろう。話をしているときには何もかも言い当てているのではなく、終わった後にそのような印象を与えることが出来れば十分すぎるということだ。現代の催眠術のテクニックは会話をしながら相手に気づかれないうちに相手をトランス状態にさせることもでき、そうやって相手に自分が本物の霊能者だと信じさせることは珍しい話ではない。江原と美輪は互いに心理的に同調し、同じ霊を見ることができているとおそらくは本気で信じ込んでいるだろう。

 オカルト的なものを一切排除せよとは言わないが、ゴールデンの時間帯にさも真実であるかのように頻繁に放送するのはあまりにバランスやセンスが悪くないだろうか。





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日本で偽学位などどうでもよい?

 

 日本の大学でも偽学位をもとにして採用、昇進が行われていたという。情けない話だ。日本では政府が、米国では政府が認定した認定団体によって大学が認定される。非認定校の学位は偽学位とされ、本来は認められるものではない。大学は学問に関しては最高峰なのだから、採用する相手の学位が本物かどうかくらい見極められないでどうするのか。学位を重要視しているにもかかわらず、それを見る目がないというのが大問題だ。

客員教授(または准教授)というシステムがある。これは大学が外部の人物を教授の職位をもって迎え入れるものだ。大学がどのようにして職位を決めるのかは大学の自治に任されている。偽学位でもよいとするならそれはそれで大学側の勝手かもしれない。だが、それなら政府の認定を返上したほうがよいだろう。

日本では偽学位によって採用された大学教員が数十人いるそうだが、私が学歴詐称と聞いて思い出すのは元民主党議員の古賀潤一郎氏だ。彼はアメリカのペパーダイン大学を卒業したと自称していたが、実際には籍を置いていただけで卒業はしていなかった。本人はなぜか卒業したものだと勘違いしていた。この学歴詐称が公職選挙法違反にあたると非難され(起訴猶予になったが)、衆議院議員の職を辞することになった。自分の学歴が分からない奴がいるのか! と当時の私には大変なショックだった。あわてて押入れから大学の卒業証書を引っ張り出して、自分の名前が書かれているのを何度も確認したことを覚えている。

日本での博士号の価値はアメリカと比べてかなり低く、就職へそれほど有利に働くわけでもないようだ。大学が偽学位を見抜けないのは問題だが、普通学生は教員がちゃんと学位を持っているかどうかなど気にしないだろう。少なくとも私やその周辺の学生は気にしていなかった。学生があまりにも勉強しない日本において偽学位などどうでもよいことなのかもしれない、と言ったら厭世的すぎるか。




1月6日
遅ればせながら、あけましておめでとうございます

 ネタもなく、しばらく更新しておりませんでした。
 昨日放送されたTBSの「ヤレデキ!世界大兆戦」。基本的にタネアカシ番組は良くないと思うが、今回のネタバラシ演目にもやっぱり問題があろう。トランプでお札を切って元通りにするという演目のタネアカシをやっていたが、あれはビル・スラッシャーという商品名で売られているネタモノだ。千円くらいで売られている商品のタネをテレビの、しかもゴールデンの時間帯にばらすなど、あってはならない。同じ原理の商品もほかにあり、おそらくそちらのタネも観客に見破られることが大いに考えられる。ビル・スラッシャーはタネがわかれば自作が可能なので、マジックの商売をしている人にとっては二重の打撃になる。マリック氏ももうちょっと考えた上で行動したほうがよいだろう。
 マリックの出題に挑戦したのは高いIQを持つインドの天才兄妹。最初にカラーカードの予言のトリックが見破れるかというのをやっていた。出題された演目を兄妹は見事見破った(はるかにIQの劣る私にも出来たが)。その後、十枚のカラーカードを使った別の予言マジックを「これは見破れないだろう」的にやっていたが、おそらく兄妹は見破っていたのではないか。十枚のカラーカードを一枚ずつ置いていき、観客の好きなところでストップさせ、残りをひっくり返して乗せる。これを何度かくりかえし、ぐちゃぐちゃに混ぜられたカードを並べると予言の順番どおりに並べられている。1から10までのトランプをカラーカードに見立てて同じことをやるとタネがわかるだろう。
 穴の開いた消しゴムに紐を通し、それが抜け出てしまうというのは私としては興味深かった。同様の演目のタネアカシを以前マリック氏がやっていたこともあり、簡単に解った。だが、面白いのはマジシャンが観客の道徳心を盲点として利用しているところ。消しゴムをちぎるというのがミソだが、これはモノを大事にする人ほど思いつかないことで、悪魔的なトリックといえるだろう。マリック氏の面白さは悪魔的な要素を内に潜めているところで、いつも賛否両論が起こる。